皆様、新年あけましておめでとうございます。関です。

少し出遅れた感がありますが、昨年の活動のご報告と、今年の豊富を書かせていただきたいと思います。

OpenStreetMap に明け暮れた一年

昨年は、3月6日(震災の5日前だったのですね)にヤフー社で開催したGeolocation Conference でのコーディネーターをさせていただき、その際に OpenStreetMap の創始者であるSteve Coast 氏に出会うことができました。ヤフーのアルプス時代の地図をOSMへ提供するというニュースをその場で発表できることができ、嬉しかったです。また、Google の Geo Developer Adovocate である Mano Marks や Steve Coast、Hurricane Coast、ヤフー村田さんとのパネルディスカッションも大変刺激になるものでした。OpenStreetMap はその直後に発生した震災に対しての Crisis Mapping などでも大活躍しています。また、9月には OpenStreetMap の国際カンファレンスである、State of the Map (SotM) にも参加しました。過去参加したどんなカンファレンスよりもホットでクレイジーなコミュニティがあり、とても刺激的でした。そして、なんと今年はそのSotMが東京で開催されることに決定いたしました。今から楽しみでしかたありません。

sinsai.info と Hack For Japan

3月11日の地震発生直後に OpenStreetMap Foundation Japan の東さんが立ち上げた震災情報収集プラットフォーム、sinsai.info を引き継ぐ形で総責任者を担当させていただきました。並行して、ハッカソンを通じて震災復興を手助けするチームである、Hack For Japan にもスタッフとして参加。sinsia.info を始めて1ヶ月経った頃のブログをTechWave さんに掲載させていただきましたので、sinsai.info については次のリンクをご覧ください。TechWave:sinsai.info を1ヶ月やってきて思うこと【関治之】 sinsai.info をやらせていただいたおかげで、大変多くの素敵な方々と出会うことができました。被災地にも何度か足を運ばせていただき、被災者やボランティアの方々と意見交換をさせていただきました。毎回とても勉強させていただいています。賞をいただいたり、新聞に掲載していただいたりというのもありがたいですが、一番嬉しかったのはやはり実際の被災者の方々やボランティア活動をしている方々から、「役に立った」「助かった」という言葉をいただけた時でした。テクノロジーが社会的課題を解決するのにどう役に立つのか?ということについて、楽天テクノロジーカンファレンスにて発表させていただいた資料が以下です。

活動を続けていくなかで自分の力不足を感じたこともたくさんありましたし、参加していただいたボランティアの方々に配慮がうまく行き届かなかったこともありました。支えていただいた皆様、本当にありがとうございました。今後も、両方の活動を続けていくつもりです。

オンデマンドバスシステム

本業の方では、これまで研究開発してきた OpenVRP を活用して、オンデマンドバスの運行管理システムを開発させていただきました。NDソフトウェアさんがフロントに立ち、「スマートデマンドシステム」として、いくつかの地域で運行しているオンデマンドバスの管理システムとしてご利用いただいています。ルート最適化については今会社が一番力をいれているシステムですので、今後もOpenVRPを始めとして、モビリティ関連のシステム開発を行なっていきたいと思います。

スマートフォンアプリケーション開発

スマートフォン向けのアプリケーション開発も大変多く引き合いをいただきました。地図を使ったAndroidアプリケーション、iPhone アプリケーションを中心に、多数のアプリケーションを制作させていただきました。受託中心ですのでここに掲載できないものが多いのですが、ノウハウもだいぶ溜まってきております。ジオ系のアプリケーション開発の案件がありましたら是非ご連絡ください。

人々の実生活を豊かにする為のサービス開発を

今年も、位置情報を通じて、人々の実生活を豊かにする為のサービス開発を行なっていきます。

  • 今後の活動の基盤となる、地域貢献に役立つような自社サービスを作る

位置情報とスマートフォン、ソーシャルネットワークを使って、地域貢献に役立つような自社サービスを計画しています。インターネット上で完結するのではなく、人々の生活に影響を与えるようなサービスを作りたいというのがそもそも会社を始めたきっかけですので、原点に帰ってサービス開発を行います。

  • OpenVRP を改良し、インターネット上の様々なサービスと車輌運行が繋がるシステムを開発する。

OpenVRPを使ったスマートデマンドシステムを実際にリリースできたのは重要な一歩ですが、まだ既存のデマンドバスの運行管理システムの域を超えていません。単なる効率化ではなく、そのシステムでないとできないことを目指したいです。バスの運行ルートの自動最適化や、移動中や移動前の情報提供などの部分も含めて情報提供できるような、より良い交通システムを作っていきたいと思っています。今年はそれに向けてOpenVRPをより発展させていきます。

  • テクノロジーと社会的課題を繋げる為の枠組みを作る

「次に備える」という意味でも、sinsai.info は今後、防災に関する活動を積極的に行う予定です。また、Hack For Japan でハッカソンを何度かやらせていただき、特定のテーマにそったハッカソンというのはとても効果的だと感じました。技術者が、社会的課題にうまくアプローチできるような仕組みをつくれれば、世の中を少しづつ変えることができると感じています。海外では Random Hacks of Kindness というハッカソンの取り組みもあります。こういったサイトなども参考にして、何かしらの枠組みを作っていきます。

  • OpenStreetMap の発展に貢献する

今年の State of the Map Tokyo の運営チームにも入らせて頂きました。ヤフーデータのインポートも少しづつ進んでおり、ビジネス面でも利用ができる可能性が高まって来ました。9月のSotMカンファレンス実施までに、日本のコミュニティや地図データを、より発展させておけるよう頑張ります。

昨年も、たくさんの人に助けて頂きました。素晴らしい人達に巡りあえて、感謝しています。本年も、よろしくお願いいたします。第8回ジオメディアサミットを1月23日に開催する予定です。もしお時間ありましたら、そちらでお会いしましょう!

第8回ジオメディアサミット | 詳細、申込み

投稿者

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関治之

オープンな文化を通じて社会をアップデートする。CEO of Georepublic Japan, CEO of HackCamp, Founder of Code for Japan.

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